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汗ばむ温度を風に乗せて
この夏最後の花火を見るんだ
夕日の影が夜を連れた
この夏最後のボクらの夢
不意の視線と黒い長髪を結わいた
浴衣姿と華奢な背中
黄昏時の向こう ぱーっと
あの空に
花火が上がって 君が微笑んで
その有り触れた日々が全てで
それだけだった
夜空を着飾る光の粒に
遅れて音がする
それが恋の終わりと知らずに
君に笑いかけていた
♪
心がどこか漫ろなのは
下駄が擦れて痛むからだっけ
歩幅も何も合わないのは
人目を避けて歩いたから?
空っぽの手すら埋められない
意気地なしの最終列車
ラムネの呼吸に閉じこもる
このビー玉みたいに
あの海の向こう側よりも
ずっとずっと遠い一歩
たとえどれだけ近づいても
その願いはもう遠すぎる
花火が可憐に色付いてみせる
その暗闇の深いところに
気づけなかった
ふたりの隙間を照らす残り火
遅れて音がする
打ち上がっては賑わう人波
今日は八月の空
それが恋の終わりと知らずに
君に笑いかけていた
あと少しの もう少しの
埋まらない距離と夏
届かない 触れない
あの花火のように